VOICE 1 憧れの声優と怖いセンパイ

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☆ 「おはよう……って、やっぱり思ったとおりね」 高校2年生になって、数ヶ月経った月曜日の朝。 大好きなアニメをリアルタイムで視聴して、録画したそれを明け方まで飽きるほど何回も見ていたから、結局寝不足のまま学校に登校してきた。 「おはよ~すずちゃん……って、わあ!?」 ふらふらな状態だから、自分の机に到着する前に誰かの机に足を引っかけて、そのまま足がもつれて…… ドスンッ 「そういうとこ、本当にブレないわね…… あんたは学習能力なさすぎ。毎週こんな感じなのに」 「うぅ……だってー、あたしのお気に入りの朝陽くんがカッコよかったから……」 席に着いて、制服についたホコリを落としてから、だらりと机の上でうなだれた。 久住日和(くずみひより)。 桐ヶ丘高校2年5組。運動はダメダメ。成績は超ヤバイ(特に漢字)。趣味はかわいいものを集めること。 ……なにを隠そう、アニメ大好きな女の子。
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