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こうなったのも、連載中の少女マンガ『恋に一直線！』が、最近アニメ化されたからだ。
その原作のファンでもあるあたしは、アニメが始まってから部屋のテレビに毎週のように釘付けになる。
「で？あのイケメンヒーローがカッコよかったって？」
「もう、吉川朝陽くんだってば！すずちゃん、いいかげんおぼえてよ！」
「興味ないからいちいち覚えません」
「つ、つめたい……！」
マンガやアニメよりも小説やドラマが好きな神崎涼香ちゃん。愛称・すずちゃん。
今年初めて同じクラスになって、出席番号が近かったこともあって、すぐに仲良くなった。
「だいたい、なにがそんなにいいの？そのなんたらくんの」
「朝陽くんだってば！なにがいいって、そりゃあイケメンで、背がたかくって、アタマもよくって、スポーツもできて、やさしくって人気者で……」
「もういい、ストップ。聞いた私がバカだったわ」
『恋に一直線！』という話は、ヒロインの浅田春菜ちゃんが、学校一の人気者・吉川朝陽くんを好きになって、近づくためにアピールし続ける、そんな一途な女の子のラブストーリー。
「それになによりも……声がめっちゃいいの！！」
そして、あたしが朝陽くんに夢中になっている理由はその声にある。
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