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「すずちゃんも朝陽くんの声きいたことあるでしょ?なんともおもわないの?」
「聞くには聞いたけど……声は特別タイプってわけじゃなかったわね」
すずちゃんとは神くんのことで盛り上がれない。だから、毎回こんなふうに話が噛み合わないのは本当に残念。
「ひーちゃん、おはよう!今日も寝不足?」
「さっき思いっきり転んでたでしょ?大丈夫?本当にドジっ子なんだから」
「ほどほどにしとけよ久住ー。ほら、スッキリするアメやるよ」
「あ、私も!チョコレートでよければどうぞ♪」
「わあ、みんないつもありがとう!」
HRが始まる前、すずちゃんとそんな話をしていると、クラスのみんなが心配して食べ物をくれた。
「みんな小動物に餌付けする感覚よねー」
それはたぶん、あたしのおっちょこちょいでドジな性格と、チビなせいだと思う。
ドジなところは、さっきみたいに転ぶことなんてよくある。中学生のときに止まった身長は、何年経っても伸びてくれない。
「まあでも、べつにいいよ!みんなかわいがってくれるもん♪」
「相変わらずポジティブな性格ねー。それでクラスの人気者なんだから、ある意味尊敬するわ」
昔はコンプレックスだったドジな性格も身長も、あることをきっかけに考え方を180℃変えたら、プラスに考えられるようになっていた。
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