VOICE 1 憧れの声優と怖いセンパイ

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☆ 「ったく、お前のドジっぷりは世界最強だな……」 「センパイがほめてくれるなんて、めずらしいですね~!」 「アホかっ!けなしてんだよ!」 お店が閉まる時間になって、後片付けをしているとき。バシィッと頭を叩かれた。 この怖いひとは、内海洸(うつみこう)センパイ。あたしとは違う高校に通う、ひとつ年上の3年生。 顔はかっこいいから、特に女の子のお客さんからは大人気。 仕事はものすごく真面目なうえに覚えるのも早く、店長に色々なことを任されている、とっても頼りになるひと。 でもその容姿とは裏腹に、男のひとには少し高い声がコンプレックスらしい。 で、最近このレストランでバイトを始めたあたしの教育係でもある。 「まあまあ、少し落ち着きなよ洸」 「マカちゃんセンパイ!」 センパイの肩をぽんっとなだめて、後ろから優しい声をかけてきたのは、真壁拓哉(まかべたくや)センパイ。愛称・マカちゃんセンパイ。内海センパイとは同じ高校のクラスメート。 誰にでも優しくて、性格は朝陽くんみたいなパーフェクトのひと。もちろん、内海センパイに負けず劣らずお客さんに大人気。
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