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☆
「ったく、お前のドジっぷりは世界最強だな……」
「センパイがほめてくれるなんて、めずらしいですね~!」
「アホかっ!けなしてんだよ!」
お店が閉まる時間になって、後片付けをしているとき。バシィッと頭を叩かれた。
この怖いひとは、内海洸センパイ。あたしとは違う高校に通う、ひとつ年上の3年生。
顔はかっこいいから、特に女の子のお客さんからは大人気。
仕事はものすごく真面目なうえに覚えるのも早く、店長に色々なことを任されている、とっても頼りになるひと。
でもその容姿とは裏腹に、男のひとには少し高い声がコンプレックスらしい。
で、最近このレストランでバイトを始めたあたしの教育係でもある。
「まあまあ、少し落ち着きなよ洸」
「マカちゃんセンパイ!」
センパイの肩をぽんっとなだめて、後ろから優しい声をかけてきたのは、真壁拓哉センパイ。愛称・マカちゃんセンパイ。内海センパイとは同じ高校のクラスメート。
誰にでも優しくて、性格は朝陽くんみたいなパーフェクトのひと。もちろん、内海センパイに負けず劣らずお客さんに大人気。
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