愛書狂

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愛書狂

       群青の看板映える古書肆(こしよし)にて自撮りをしてゐる明日(あす)は晴れない        ありふれた恋の本だけある古書肆(こしよし) 買ひに行かうか沈んだ夢で        母の死を告げる書物は何処にある いつもの古書肆(こしよし)でいつもの科白        乱丁(らんちやう)のリルケの詩集 ()でてゐる 詩と混じりあふ「読書子(どくしよし)()す」        えんえんとあけない秋の夜深し机の上に(ページ)雪崩(なだれ)        正かなを愛す仲間が寄りあひてネットの海に撒種(さんしゆ)する夜
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