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それから、二人は例のスーパーで一緒に買い物をしてアパートに帰った。
「……黒川さん、私たち、お隣さん同士ですよね?」
二人で並んで歩く帰り道、雪子はふと黒川に言った。
「だ、だからそのう、たまには私の家に遊びに来てもいいんじゃないかなって。電話だけでも別にいいですけど……」
「え、いいんですか? 迷惑じゃないですか?」
「はい。それぐらいは別に……」
「やった! 僕、これからジャンジャン雪子さんの家に押しかけることにしますよ!」
「い、いや! さすがにジャンジャン来るのはダメですよ!」
雪子はあわてて、はしゃぎまくる黒川を制した。
しかし、彼は「いいじゃないですか。僕たちお隣さん同士なんだから」と、ただ浮かれるばかりであった。《了》
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