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2020.9.18-19 鬼怒川温泉(栃木)⑨
露天風呂に来ました。
良い予感はしてたんです。ここに来るまで誰とも会わなかったから。
今朝も貸し切り! 誰もいない!
朝も夜も露天風呂独り占め。こんなこともう一生ないんだろうなあ。
そんなことを思いながら身体を洗って岩に囲まれた温泉に浸かります。
……あーーーーー。
昨日より長めに声を伸ばしてみました。
うん、やっぱりいい温度。
昨夜から思ってましたが、ここの温泉は本当にちょうどいい温度です。
ずっと浸かってられないほど熱くもなく、湯船から上がると寒いってほどぬるくもない。
ゆっくり浸かれて、身体もぽかぽか。
最高です。
この世に存在する全ての風呂がこの温度に統一されればいいのに。
そんな自分の好みに合わせて世界を改変する魔王のようなことを考えつつ、空を見上げます。
空はあいにくの曇天でした。空一面が白い雲に覆われています。
でもまあこれも雲海を下から見てると思えば、それはそれで一興。
「なあ知ってるか? この分厚い雲の向こうには楽園が広がってるんだぜ?」
ふとこんなセリフが思いつきました。
誰かこのセリフから始まる物語を書いてくれる人はいないだろうか。
タイトルは「色さえ雲」「グレイッシュ=ガーデン」「曇天の巓へ征く」から投票で決めよう。
と、まあ本当に何の身にもならない適当なことを考えつつ、私の身体は芯まで温まりました。
ただ、温まったからと言って出たくなるわけではないのが温泉。
むしろずっといたい。あーなんか朝食とかいらないや。ずっとここにいたい。
このままお湯に溶けていってしまうんじゃないかと思うくらい、力を抜いてくつろぎます。
ところでここの温泉の湯船を囲っている岩ですが、どの岩肌もつるつるです。
たぶんこれは自然ではないです。これは子供たちが怪我をしないよう削ってくれているんでしょう。
優しさがすごい。
手を抜いているのか、自然をそのまま表現したいのか、結構ごつごつざらざらした岩肌の温泉も結構ある中で、さすが国内でも名高い温泉といったところなのか。とにかくここの旅館が優しさに溢れているのか。
正解は分かりませんが、おかげで心まで温まったのは確かですね。
おそらく入って30分くらい経った頃でしょうか。
親子連れが露天風呂にやってきました。
3歳くらいの小さな子が二人と、お父さんが一人。
これはそろそろ引き際でしょう。
私みたいな大人がいては、子供も怯えるかもしれないし、お父さんに気を遣わせてしまうかもしれません。
朝風呂を十分堪能して満足を得た私は、親子連れと入れ替わりで脱衣所に出ました。
服を着替え、髪を乾かしていると、急にお腹が空いてきました。
朝食券を持ってきたので直接レストランへ向かいましょう。
え、さっき朝食いらないとか言ってなかったかって?
いや誰ですかそんなこと言ったの。朝食は絶対食べたいでしょ。
私はタオルを返却口に入れて、レストランのある4階に向かいました。
……その前にコーヒー牛乳を買って一気飲みしました。
温泉後はやっぱこれだね!
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