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2020.9.18-19 鬼怒川温泉(栃木)⑫
旅館を出て、川の音に釣られて歩いていくと、旅館のすぐ脇に大きな幅の階段がありました。
その先には階段と同じ幅の橋があります。
橋があるということは……?
私は階段を下りていきます。
さっきも書きましたが幅がものすごく広いです。バスタオル用ハンガー50本分は並ぶんじゃないかな(よくわからない例えpart2)
それだけ幅が広いとどの辺を歩こうか迷いますよね。分かります。私もです。
結局、真ん中を選びました。誰もいないし広いとこ歩こうと考えたからです。ミュージカルの主演の気持ちを味わいたいとかそういうわけでは決してなくて。
背筋を伸ばしてゆっくりと一段ずつ踏みしめるように階段を下りていきます(だからミュージカルの主演の気持ちを味わいたいとかそういうわけでは(以下略))
一段下りるたびに水がぶつかる音が大きくなっていきます。釣られるように階段を下りる速度も上がります。意外と長い。
曇天の空にはいろんな灰色が立体的に浮かんでいて、滑らかな青空も好きだけどこちらも結構素敵だなあと思ったりしつつ、最後の一段を踏みしめて舞台に立ちました(ミュージカルから離れて)
大きな橋を進んでいくと、凄い音を立てながら流れる川が見えました。
き、鬼怒川だー!!!(周りの木がすごく元気)
ちなみに「鬼怒川」という名前の由来はいくつかあるそうです。
①昔、栃木や群馬のことを「毛野国」と呼び、そこに流れる一番大きい川を「毛野川」と呼ばれていたのが訛って「鬼怒川」になった説
②普段は穏やかな川だが、一度荒れると鬼が怒るかの如く荒々しくなるから説
③昔「絹村」という村があり、よく川で絹を洗っており「絹川」と呼ばれ始め、それが変化した説
④この川の水源が「鬼怒沼」という沼で、そこから流れる川だから「鬼怒川」になった説
川の轟音を耳にした私としては②を推しますね。
ただ個人的にこういう地名の由来というのは色々な説があるからこそ楽しいと思うので、今後いろんな技術が発展しても、どれと特定しないでいてもらいたいなあ。
……さて、私がここで何をやったかと言うと。
ぼーーーっとしてました。
ひたすら無心で。
何も考えず。
時間なんてないかのように。
水の流れを見て。
川の音を聞いて。
風の匂いを嗅いで
頭に刻み込むこともなく。
ただ受け入れて。
時間を忘れる時間、という矛盾が至福でした。
しばらくの間、ぼーっとしてから私は動き出します。
何故ならお腹が空いてきたからです。私の体内時計は確実に進んでいたようです。
鬼怒川って何が美味しいんだろう、と考えていたら、そういえば昨晩駅に着いた時「手打ちそば」って看板出てたなあと思い出しました。
一度思いつくと、私の脳は簡単にそばの気分になってくれます。単純です。
さーて、伏線回収しにいきますか。
そんなことを思いながら橋を戻ります。
そして私はひとつ忘れていたことを思い出しました。いや考えたくなかっただけかもしれません。
目の前には大きく長い階段が立ちはだかっていました。
ミュージカル主演の道は険しい……!
次回は昼ご飯を食べます!
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