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2020.9.18-19 鬼怒川温泉(栃木)⑮
目的は果たした。探索も一通りした。雨も降ってる。
でもまだ帰りたくない。
というわけで駅に向かっていた私はそのまま駅を素通りし、その先へと行ってみることにしました。
……うん、静かだ。
道路とちらほら現れる民家や公民館っぽい建物、そしてその向こうに見える山々。(あとセブンイレブン)
時間帯のせいか元々なのか、歩いてる人はほとんどいません。そのせいか目には見えない場所を流れる川の音や風の音が聞こえます。
なんか、こういうのが良いんだよなあ。
人が生きてる音がしない。聞こえるのは地球の音だけ。
故郷が田舎の私はなんだか懐かしい気持ちになりました。
少し歩くと橋が現れました。
その中腹まで歩いて下を覗くと、朝眺めていた鬼怒川が流れています。
うん、ここだな。
せっかく鬼怒川温泉に来たし、最後も鬼怒川で締めくくろう。
というわけで、再び川を眺めます。
ここからは特に言うことはありません。
『池田春哉はしばらくの間のんびりと川を眺めていた』という一文で終わります。
でも、一人旅っていいですよね。
こんな無計画で行き当たりばったりで、観光地にも寄らず温泉入って川見て饅頭食べて蕎麦食べて川見てる旅行に誰が付き合ってくれるでしょうか。友達減りますよね。
その点、一人旅だと気兼ねなく自由に川が見られます。
どれだけふらふらしてても誰にも怒られません。今この橋から鬼怒川ダイブしても怒られません(もっとやばいとこから怒られそう)
……とまあそんなこんなで30分ほど川を眺めたところで、小雨だった雨が強まってきました。
そろそろ帰れという神のお告げか…!
永遠にここにいたい、ここで化石になって鬼怒川温泉の観光名所として生きていきたい、と駄々をこねる自分を動かす理由に神様を持ち出して、私はなんとか駅へと歩きだすことに成功しました。
帰らなきゃ。
私には待ってる人がいるんだから(仕事)
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