2020.9.18-19 鬼怒川温泉(栃木)③

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2020.9.18-19 鬼怒川温泉(栃木)③

 鬼怒川温泉駅に降り立った私は愕然としました。  くらっ。さむっ。(暗い。寒い。)  駅を出ると暗闇でした。人っ子ひとりいません。  まあ結構有名な観光地だしなんかあるだろうと思ったんですが、店は軒並み閉まっていました。どうやらほとんどの店が17:00くらいで閉まるようです。はやいよ。  離れたところに見える「手打ちそば」という大きな看板も真っ暗です。    もうちょっと頑張ってくれ、と思いましたが、まあ私のような無計画な人はそこまで多くないのでしょう。  社会はマイノリティに厳しいのです。  そして、寒い。  風が強い上に冷たすぎです。  東京では最高気温30度越えだったのでもちろん半袖の私。  両手を擦り合わせて暖を取る仕草を今年初めてやりました。  夜の栃木なめてました。  それでももう進むしかありません。  宿は駅から1km先にあるとのことです。徒歩10分強くらい。  グーグルマップの方向に向かいます。  この先にホテルがあるようにはまったく思えませんが、彼(グーグルマップ)を信じて先を行きます。  もし彼に騙されていたら私は終わりですが、今までずっと仲良くしてきたので大丈夫なはずです。もし彼に自我が目覚めても、友達になれると信じています。グーグルは敵に回さない。絶対。  とまあそんなことを考えつつ、Twitterに返事しつつ(まだやってる)、途中すこし道を間違えたりしながら、私は初めて来た土地の暗闇を彷徨っていました。   (この間も連載作品の更新は滞りなく行なわれました。公開予約機能は本当に神)  そして何分歩いたのか、今どこを歩いているのかがよく分からなくなり。  手と腕が冷え切り、その冷たさが心まで侵食して、なんだか心細くなってきた頃、私はその灯りを見つけたのです。  青と白に光るライト。  牛乳のマーク。  ロ、ローソンだぁああああ!  ――見知った看板を見つけた瞬間の感覚。   それはまるで凶悪なモンスターに嬲られてボロボロにされ。  あと一撃喰らえば倒れるという、その瞬間。  颯爽と現れたヒーローに命を救われるような。    そんな安心感に包まれたんですね。大袈裟でなく。  私にはその青と白の光は神様の後光に見えました。大袈裟です。  これまで私の好きなコンビニランキングではセブンイレブンが1位だったのですが、ここでローソンが一気に先頭に立ちました。(随時変動します)    とまあそんなこんなで自動ドアをくぐり店内に入ります。   「いらっしゃいませー」  店員さんがいました。当たり前ですが。  でもそれがとても嬉しかったりします。  そんな感覚、味わったことあります?  にしても最近のコンビニはすごいですよね、品揃え。  食品や飲み物だけでなく衣類や日用品まで全部揃ってます。  しかもここは栃木県。  とちおとめグッズやレモン牛乳、宇都宮餃子味のお菓子などなど栃木色強めで楽しいです。    私はそこでお弁当、ポテチ、お茶、からあげクン、缶ビール、コンタクトケース、下着類を購入しました。栃木色ゼロです。  何はともあれ、こうして私は夕飯と着替えをゲットしたのでした。  ……ふぅ、勝ったな。(何に?)  からあげクンを食べながら、謎の無敵感に包まれつつ宿を目指します。    坂道を登って下って、また登る。  どうして一回下ったのか。   これが人生というやつか。つまり鬼怒川は人生。からあげクン美味しい。  そんなことを思っていると宿に着きました。  思ったより大きな佇まいです。門から入り口まで結構ありました。   入り口で検温をされ、両手を消毒して(コロナ対策万全!)屋内に入ります。    ――こうして、私はなんとか本日の宿に到着したのでした。(やっと)
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