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仲良し3人組は、魔法少女の夢を見る。
いつもの3人組で、明るい笑い声を響かせながら通学路を闊歩していた。ちゃこが、2つに縛ったオレンジ色に近い茶色の髪をくるくる回しながら、ぽつりと呟く。
「今日の髪型、ちょっと変だったかなぁ〜?」
妙に間延びした喋り方と、小柄な体型が相まって中学生くらいに見えてしまう彼女は意外にも筋トレが趣味で、男子を投げ飛ばせるような女の子だ。
「可愛いよちゃこ」
それだけ呟けばまた自分の世界に帰っていくのは、ショウコ。外はねした黒い髪に化粧っ気はないが、美人な顔。羨ましい。
「マホマホ〜どうかなぁ?ちょっと、変だったかなぁ?」
ショウコの返答だけでは、満足しなかったようでちゃこは私にも質問を繰り返す。
「今日もかわいいよ〜ちゃこ!」
そう言えば、満面の笑みでニコニコと笑うちゃこは本当に可愛いと思う。
「マホマホのピンク髪も可愛いと思う。ちょっと、やりすぎだったかなぁ? とも思う」
ポニーテールにした髪の毛を、少しだけ整えてちゃこの言葉に笑顔で返す。
「魔法少女は、ピンク髪が鉄板でしょ!」
ちゃこは、ふぅーんとだけ呟いて髪を相変わらずクルクルと回している。
「ショウコは水色にしないの?」
「私は薄紫にしたい……」
ショウコは憧れている魔法少女がいるらしく、それが薄紫色の髪の毛の女の子らしい。
私のピンクとちょっとかぶってるから、ぜひ水色にしてもらいたいところなんだけれど……
「マホマホがピンクでしょ。ショウコは水色。ちゃこは、黄色。これが、イメージカラーでしょ?まぁちゃこの髪は、ちょっと茶色すぎるかなぁ?とも思うけど」
そう、私たち3人は魔法少女を目指している。3人で魔法少女として戦うのが夢なのだ。魔法少女を目指して憧れているだけでは、何にもならない。まず初めに、セルフプロデュースから始めたのだ。
「イメージカラーはちゃんと守ってよね!」
そんな話をしながら学校へと向かう。
学校へつけば、すぐさま部室へと歩き出す。私たち3人だけの秘密の部活。魔法少女を目指す会。今日の議題は、『魔法を使えるようになるためには、』だった。
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