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10日単位でお部屋を借りられるそうです。
「ちゃこ! はぐれるよ〜!」
そう言いながら、ちゃこをこちらへと呼び寄せる。ショウコが一瞬こちらをチラリと見てから迷わず先程見ていた建物へと進む。
入り口の前に、小窓がついておりショウコがそこを指でコンコンとノックする。小窓の上には何やら張り紙がされていた。
「ちゃこ、プルちゃんに読んで見てもらえる?」
小声でチャこにお願いすればプルちゃんが読みあげてくれるが、プルちゃんの声が鳴き声に戻っていた。
「プルルルァ……プルァプルプルァ」
「んーとね、
1日銅貨5枚。
10日で銀札4枚。
30日で銀札10枚。
家具付き。台所付きだって」
ざっと頭の中で計算しながら長くなれば長くなるほどお得になるパターンかと考える。
とりあえず10日? かな。と考えていればいつのまにか、ショウコが銀札10枚差し出していた。
「え! 大丈夫!? ご飯とか、プルちゃんの餌とか! 装備とか! お金かかるよ!」
「とりあえず、拠点。あとは、プルちゃんに稼いでもらう」
先程手に入れたお金はもはや、銀札3枚と銅貨5枚しか残っていない。
この後の生活に先行きが不安になる。払っちゃったもんは仕方ないけど……
早速ガラスやビーズを売るしかないかぁと考えながらショウコの意見に渋々従う。
鍵らしきものを3つ、受け取ってショウコが首からかける。
残りの2つを私とちゃこにかけてくれて階段を上る。
元の世界から持ってきたキャリーケースがさっきよりもだいぶ重く感じながら階段を上っていく。
2階の角の部屋で立ち止まったショウコが鍵を開けて中にみんなで入れば少し広めのワンルームのようだった。クイーンサイズであろうベットが1つ。あとは、ダイニングテーブルと椅子が4脚。
それ以外の家具は特になさそうだった。入ってすぐのところにコンロや水場があり、料理もできるようだ。
もう一部屋あるようで扉を勝手に開ければ、洋式のトイレと硬そうなトイレットペーパーが設置されていて一安心する。
水を出せば、程よく冷えていて美味しそう。手ですくって一口飲み込めば、喉の渇きが癒える。
「このあとどーするの?」
「まずは、勉強。机に座って」
ショウコにそう言われて荷物を置き、椅子に座ればショウコは一冊のノートを取り出して説明を始める。
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