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どうしたら、魔法を使えるかな?
部室のホワイトボードへと、議題を書き込む。ショウコは、スマホを片手に昭和の音楽をかけていた。ちゃこの方を見れば、ちゃこはちょこんと椅子の上に正座で座っている。
「2人は何かいい案がある?」
「ちゃこはね、ちょっと難しいかなぁ?と思う」
ちゃこはえへへと笑いながら、話してショウコの方へと視線を向ける。
「異世界転移……」
ショウコは、相変わらず一言だけ呟いてまた音楽へと耳を傾けていた。ホワイトボードに異世界転移とだけ、書き込む。
「そんな簡単に、できるのかな……異世界転移。最近はやりだけどもね?」
異世界に行ける方法は、ネットで色々と書き込まれていたから知っていた。けれども、魔法を使える世界に行けるとも限らない。
異世界転移の横に矢印を書き足して、トラックに轢かれると書き込む。待っていて、異世界転移してくれるならば1番都合がいいのだけれど、いつになるかわからない。
うーんうーんと唸りながらも、いい案は出てこない。
「はい!」
ちゃこが背筋を伸ばしまま挙手しているのを見て、ちゃこに指を指す。
「はい、ちゃこ」
「ショウコちゃんが、ちょっと古かったかなぁ? な紙を出してます」
机の上へ目を向ければ、古文書のような紙が確かに机の上に置かれていた。一枚手に撮り目を通せば、異世界転移をしたことがある人と会った人の手記のようだった。
「過去の出来事」
ショウコから、紙の束を渡されて1枚1枚めくっていく。1番最初と思われる文章を目で追おうとすれば、チャイムの音が鳴り響く。
「ちょっと、遅刻しちゃうかなぁ?」
ショウコはいつのまにか、教室に向かっていたようでもう部室から飛び出していた。ちゃこは呑気そうに言いながら鞄を持って私を待っていた。
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