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私たち、異世界転移を試みます!
ショウコから服を受け取って、用意のために帰宅をした。
何を持っていけば良いんだろう。考えながら非常食になりそうなものを、ひとまずかき集める。栄養食やお菓子などで中位の袋をパンパンにして、キャリーバックへと詰める。
あとは着替えと……あっちで売れそうなもの。典型的なもので言えば、ガラス?ビーズ?あたりかな。
百均で今までに、買いだめしておいたキラキラ光るガラスやビーズなどを詰め込みながら、化粧品なども袋に入れて丁寧に詰める。
ある程度、荷物がまとまり、親にはショウコの家にしばらく泊まると言付けを書き残す。
ショウコからもらったリボンがたくさん着いたピンク色のワンピースに腕を通す。うん、すごくかわいい。ポニーテールにも、以前から用意していたピンク色のリボン付きのシュシュをかける。
ショウコの家の前には、もうちゃこが着いていてショウコからもらった服を着ていた。
白いニーハイソックスに、肩の部分がふわふわに膨らんだワンピース。首元は大きいリボンで留められていてとても可愛らしかった。
ツインテールにも黄色いリボンが揺れていた。背中には大きいリュックを背負っていて、ランドセルのように見える。
「ちょっと、早すぎちゃったかなぁ?」
私を見つけたちゃこは、少し恥ずかしそうに微笑んで私の方へと駆け寄ってきた。
ポテポテという音が聞こえそうな歩き方に、また尻尾の幻覚が見える。
ブンブンと千切れそうなくらい振っているように見えてつい頭を撫で回す。
「マホマホ〜! 可愛いねぇお洋服」
「ちゃこもすごい可愛いよ」
2人で可愛い可愛いを言い合っていれば、ショウコがいつの間にか出迎えに出ていて目が合う。
「2人とも似合ってる」
微笑んだショウコはとても美少女で、いつも笑っていればもっとモテるだろうにと思う。
ショウコについていけば、本当に大きな岩のある庭にたどり着く。
「これが……岩」
緊張と期待に、ドキドキと胸が高鳴り生唾を飲み込む。夜空を見上げれば、綺麗な満月が輝いていた。
「2人とも、用意はいい……?」
こくんとうなずいた2人の手を握り締めて、岩の後ろを覗き込めば、そこには黒い穴がポッカリと口を開けてこちらをみていた。
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