猫っぽい何かに名付けをしたら、意思疎通ができるようになっちゃたかなぁ?

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猫っぽい何かに名付けをしたら、意思疎通ができるようになっちゃたかなぁ?

 そう言いながらも、すり寄ってくる猫っぽい何かが可愛く見えているようでヨシヨシと頭を撫で続けるちゃこ。 「連れていくなら名前つけようよ」 「ちょっと、いい案が思いついちゃったかなぁ!」  パァァっと光が輝くようにちゃこは笑顔になり、地面へと指で文字を書き始める。 【プルちゃん】 「直接いいなよ!」 「ちょっと、安直だったかなぁ?」  ちゃこはちょっとこういう呑気なところがある。分かっていたけれど、少し呆れて肩を落とせばショウコが背中をトントンと叩いて笑っていた。 「プルちゃん、これからよろしくね」  ちゃこが笑いかければ、嬉しそうにプルちゃんは鳴く。 「プルルルァー?」 「うん、プルちゃんは、プルちゃんの名前だよぉ。ちょっと、嫌だったかなぁ?」 「プルルル! プルァー!」 「ふふふ。ありがとう、プルちゃん」  意思疎通の取れたようなやりとりを側から見ながら、ついツッコミを入れてしまう。 「いやいや、待って待って? ちゃこなんか会話してない!?」 「プルちゃんはね、ラブリンキャットって言う種族の子供らしいよ」 「やっぱり、会話してたよね!?」 「ちょっと、意思疎通ができるようになっちゃったかなぁ?」  こてんと首を傾げるちゃこにつられて、プルちゃんもこてんと首を傾げる。すごくかわいい。めちゃくちゃ可愛いんだけど、何それ!?  1人で頭を抱えて自問自答を繰り返していれば、プルちゃんがちゃこの肩から地面へと飛び降りて私たちの前を歩み出す。数歩進んでからこちらへと振り返る。 「あ、プルちゃんがね、近くの街まで案内してくれるみたいだよぉ。ちょっと、助かっちゃったかなぁ?」 「すごい助かってるよ!!」  周りに散らばった用意してきた荷物たちを持って、プルちゃんを追いかけながら草木が生茂る道を進む。 「プルルルァーッ!」  急に立ち止まったと思えば、プルちゃんは大声で一鳴きする。口からなんかキラキラしたものでてない??  ちらっとプルちゃんが吐き出したものの方を、遠目に見れば氷の塊が連なっていた。 「プルちゃん! すごい! 魔法使えるんだね!!!!」 「プルルァッ!」  少し誇らしそうにちゃこに鳴き声をかけて、褒めてと言わんばかりに頭を擦りつける。氷の中を見つめれば大型の蜘蛛が、氷漬けにされていた。 「これ、やばくない? こんなのいるの?」 「プルルルァープルッ」 「ちゃこと一緒に守ってあげるってプルちゃん言ってるよ」  ちゃこによしよしと撫でまわされていたプルちゃんは鼻で笑ったように鳴いていた。 「なんか、私に対してだけ悪意ない?」 「プルァッ!」 「なんて、言った今!! 言葉はわかんないけどこいつ、馬鹿にした気がするぞ!!!!」
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