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プルちゃんは座敷童的な何かだそうです。
3人のやりとりを見ながら、お姉さんは笑っていて自己紹介をしてくれる。
「本日、担当させていただきます。クリス・ロッドと申します。よろしくお願いいたします」
左手を肩に当てながらキレイなお辞儀をして見せるクリスさん。こちらも自己紹介をと思い口を開こうとすれば、ショウコの言葉に遮られる。
「プルちゃん、モンスター」
面倒臭そうに大あくびをしてからプルちゃんは、ちゃこの頭から降りる。
「ほらよっと」
それだけ呟いてプルちゃんの口からまたキラキラと何かが溢れ出てくれば、道中倒してきたモンスターの氷漬けが5つほど出てきた。最初のクモ。なんか集団で襲ってきたオオカミ3体。あと多分だけどゴブリン1体。
「キレイな状態ですね。さすが、サイカワ様。じゃあ、査定させていただきますね」
そう言いながら氷漬けのモンスター達を観察しながら、何かを紙に書き込んでくる。
「私たちは待つだけ」
ショウコがそういえば、部屋の扉が開いて3人組が入ってくる。
「私たち、受付のものなんですが……その、ラブリンキャット触らせてもらってもいいですか??」
そろそろとクリスさんを横目に見ながらちゃこの方に来れば、ペコリと揃ってお辞儀をする女性3名。
「プルちゃんいいー?」
「しゃあねぇな」
わぁわぁきゃあきゃあ言いながら、プルちゃん の頭を順番に撫で回す3人組。そのうちの1人から、プルちゃんについて聞き出すことができた。
「ラブリンキャットって、幸福を運ぶと言われていて…でも、滅多に人前に現れないことで有名なんです! 頭を撫でれば良縁に恵まれるってジンクスもあって!!!」
キラキラっとした目で語りながら、撫で回すお姉さん方に、プルちゃんもまんざらでもない表情をしていた。こいつ、さてはただのエロオヤジだな。
「終わった」
ショウコがそう言うのでクリスさんの方へ見れば、プルちゃんを囲んでいた3人に気付いたクリスさんが怒っている。
「あなたたち!!! 受付に戻りなさい!!!」
3人は、しょぼんと肩を下げながら手を振って帰っていく。うん、仕事中なのかよ!
「買取価格ですが、相場から言いましてヒュージスパイダーが、銀札5枚ダイアウルフが一体あたり銀札3枚。ゴブリンが銅貨5枚になります」
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