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第11回《宇宙空間の闘い》その2
鋳造兵士は、最初はやられてばかりでした。
『う、うさぎさん。これは、危ない。もっと離れよう。』
『かめさん、あたくしから、離れないでください。まったく、母上のやることは。』
『なんですか、うさぎさん。』
『あたくしの周囲には、しーるどが、形成されておりますが、かめさんには、ない。』
『しーるど、ですな。ぼくらの、普段のしーるどとは、別ですか?』
『そうみたい。あの、焦熱地獄砲用のものです。ほら、もっと、くっつきなさい。』
『ひえ〰️〰️〰️。う、うさぎさん。近すぎる。』
『ばかね、命懸けなんだから。おとなしく、くっつきなさい』
『ふあい。』
かめさんは、うさぎさんに、密着いたしました。
『あの、バカ娘、なにやってる。』
お妃様が、拡大画面を見ながら、はでに、怒りました。
じいは、うろたえるばかり。
『あ、あ、お妃さま、奥様、王妃さま。お嬢様は、あの、配下のものを、守ろうとなさっているのです。じつに、見上げたものでございますぞな。はい。』
『ばかな、身分が違う。分子破壊砲を、浴びせよ。』
『いや、それは、なりませんです。二人とも消えます。はい。それでは、お妃さまの立場がありません。』
『ふん。かまわん。父親ともども、葬り去らんわ。いや、もうすこし、見せてやってからでもよかろう。ふふふへふふふ。』
『報告します。月から、正規軍が出ました。』
ばったタイプの兵士が、報告に来たのです。
『出たか。かまわん、なぎ払え。』
『あ、あ、あ、あ、お妃さま、やり過ぎなような。』
『ばかもん。ここまで付いてきたのだ。いまさら、貴様の居場所は、ここ以外にない。勝てば、宰相にしてやる。』
『は、ひ、え。宰相にでしか。』
『ああ、あたしに、二言はない。』
『報告、地球から、変わったタイプの兵士が出てきました。』
『変わった、タイプ?』
『はい。赤が強くなり、体が大きいです。』
イルマリネンさんは、兵士の鋳造に慣れてきたので、改良版の兵士を、大量に鋳造し始めていたのです。
ワイナモイネンさんは、実は、かなり感心しながら、でも、無言で見ていました。
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