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第13回『国王さまと王妃さま』その2
『時間がくるな。国王は、返事しないかい。』
王妃さまが尋ねました。
『またく、ないです。しかし、地球からは、さらに変な新型兵士がたくさん来ました。』
『同じように、殺れ。』
『はあ。では。あの、いささか……………』
『どうした、じい。たがが、地球人の小細工であろうが。』
『そうなんですな。そうなんですが、なんだか、気味悪いです。あれ、見てください。』
それは、頭でっかちで、目が、まるで、は虫類の複眼のように真ん中に筋が入り、腹部が膨らんでいて、クレーンみたいな手をぶら下げているのです。
足は、短く、あまり、歩くには、てきさないような感じなのです。
『ぶ? なんだか、どこかで、見たような気がするな。』
『え、月で、ですか?』
『ふん。そうやもしれぬ。まて、考えるゆえ。なんだったか、おお、おもいだした、以前、追放した、女官があったであろう。許してやろうとしたが、自ら、受け入れなかった変わり者よ。たしか、…………地球で、ひめこ、とか、ピミカとか、名乗っていたとか。』
『はあ。わかります。良く。家内でしたから。』
『おお、そうであった。あやつが、プレゼントとして、送ってきたぞ。しかし、あれは、もっと、大陸の反対側の島からだったような。』
『なるほど。いま、データをみておりますが、おお、たしかに、そっくりですな。』
『まあ、地球人とて、未開ながらも、すでに交易はさかんに、行っておるゆえ、おかしくはないが。なぜ、あの、土人形が襲ってくるのか。』
『奥様、やつら、土ではない。一種の金属ですな。あら、こちらの周囲に、張り付きましたぞ。』
『そうか、それは、楽しい。贈られてきたのは、土人形であったぞ。外壁の温度を、100万度にせよ。溶かしてしまえ。』
『あいさあ。』
しかし、実際には、人形=土偶の、ほうが、先に鈍く光りだしたのである。
『奥様、宇宙船のエネルギーが、遮断されました。いや、吸いとられています。熱も。まずいです。宇宙空間に、どんどん、放出されます。エネルギーの吸収は停止しました。』
『なんとかせよ。』
『やってますが、効果なし。いわく、不可解。沈没します。』
・・・・・・・・・・・・
かつて、卑弥呼と呼ばれた巫女さまは、いまは、飛鳥の都に住んでいましたが、大宇宙を意識の周囲に巡らせながら、神秘の兵士たちをコントロールしていたのでした。
なぜ、ワイナモイネンさんの、あの同僚が作った鋳造兵士が、彼女の意識に委ねられたのか。
うさぎさんは、そこんところを、解明しようとしていました。
かめさんは、あまりにびっくりして、口を開けたままになっているのです。
高速道路にいたうさぎさん
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