第16回 『元ひみこさま』

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第16回 『元ひみこさま』

 いまは、飛鳥の都に、巫女さまとして勤務している、元ひみこさま。  はっきりした資料がないため、謎の人物の筆頭なのです。  そこで、いったん、ちょっとお話の世界から、現実に戻ってみましょう。  ひみこさまが、治めたとされる、邪馬台国と言う『くに』も、どこにあったのか(なかったのか)、最高の学者さまから、やましんみたいな、末端おじさん(老人……使いたくないぞ。)まで、興味が尽きないのです。  一番強力な、北九州説と、機内説から、最近はわりに知られる四国説もありますし、その四国説といっても、ひとつではなくて、徳島県や、高知県、愛媛県、香川県説もあるようですし、九州といっても、熊本県説もあるんだそうです。  ほかにも、沢山あるに、違いありません。  どうも、この課題に関しては、説が減ることはあまりなさそうで、なんだか、増える一方のような。  決定的な証拠の発見が待ち遠しいですね。  しかし、フィクションというものは、必ずしも、たしかな証拠があるわけでも、ないのかもしれないのですが、世に優れた作者さま方が、腕によりをかけて書いたなかに、やましんごときが、割り込むなんて、はしたないことは、微塵も思っておりません。(思っても、できないです。はい。)  さて、元ひみこさまは、月から派遣された、地球監察員の、ひとりでありました。  月人ですから、地球人とは、比べられない寿命があり、ほとんど、神さまみたいな存在です。    しかし、神さまなわけではなく、失敗もするし、罠にもはまります。  ギリシャ神話の神さまや、日本の神話の神さま、また、『カレワラ』の、ちょっと人間とは違うような英雄たちは、失敗したり、間違えたり、喧嘩したりします。  元ひみこさまも、そうだったのです。     ・・・・・・・・・・・・・・・・・      
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