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第17回 『元ひみこさま』2
さて、前回の続きの余談でありますが・・・そもそも、なんで、ワイナモイネンさんたちと、かぐやさんたちが一緒に出てくるのか、なんて、詳しい事は、作者にも分る訳がありません。フィクションですから。
しかし、興味深い事に、日本の神話と、フィンランドの神話(カレワラ)との間には、共通点がある、と、小泉保さまは『カレワラ神話と日本神話』のなかで証拠を示しながら教えてくださいます。
印欧神話というものには、三つの機能がある。
第1機能:祭政担当の神々
第2機能:軍事担当の神々
第3機能:生産担当の神々
そうして、日本の神話にも、それは当てはまる。
ということなのです。
また、具体的なお話では、日本の『かぐや姫』の物語に見られる、難題求婚物語は、カレワラの中にもたびたび現れます。
ワイナモイネン、レミンカイネン、イルマリネンの、各英雄たちが、求婚しては、難題を吹っ掛けられます。
難題を出すのは、求婚相手本人や、その親からです。
しかし、求婚相手本人から好意を持たれた場合は、最後に成功するということになります。
この三人、(三柱?)のなかで、成功したのは、相手本人から好意を持たれた、イルマリネンさまだけです。
ときに、フィンランドの神話は、どうやら、スウェーデンとの関係は薄く、むしろ反対のアジア側のウラル方面からの影響が強いようです。
日本の神話は、もちろん、南アジア方向や太平洋地域との類似性もあるようですし、アジア大陸側との共通性が、かなりみられるようです。
たとえば、オオクニヌシは、兄弟たちの策略で、いったん殺されますが、お母様のサシクニワカサヒメが天にお願いにあがり、生き返らせることに成功します。
一方、カレワラの英雄の一人、レミンカイネンさん(英雄にしては、ちょっとダメな人でもありますが・・・)は、求婚話の後、誰かさんに(殺害者は話のバージョンによって変わって来る。)に殺され、ばらばらにされて、トゥオネラ川(三途の川)に廃棄されますが、お母様がかけつけて、魔法によりつなぎ合わせ生き返らせます。
ちなみに、このあたりのお話を音楽にしたのが、シベリスウスさまの『四つの伝説』で、とくに『トゥオネラの白鳥』は名高い音楽です。
と、まあ、本題のお話とは、直接関係はないのですが、日本の古代神話と、ワイナモイネンさんを筆頭とする『カレワラ』とは、何かのつながりはありそうなのです。
ということから、この二つの舞台が、このお話しには、出てきてしまったのですが、しかし、お話の内容は、当然、作者のでっちあげであります。
では、元のお話の方に、帰りましょう。
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かめさんは、うさぎさんの言ったことを、考えていました。
こうして、宇宙から眺めると、地球は大きいようでも小さい。
月は、もっと、小さい。
まん丸くなってはいるが、途中に海や山や川はあっても、実はつながっているんだ。
みんな、同じ人間で、同じ地球の生き物だし、月人も同様なのです。
危険があっても、地球の人間たちは、昔からお互いに旅をし、交流して来たに違いないです。
『もっとも、いったい、なにが真実で、なにが嘘なのかは、よく確かめる必要があります。卑弥呼さまのことも、ほとんど嘘かもしれない。ほんとのこと
も、あるかもしれない。やはり、証拠が大切なのです。』
『そりゃそうだよ、うさぎさん。でも、直接王妃様に聞いて、すぐに、教えてくれるかな?』
『まあ、無理よね。あたくしは、追放の身。お母様には、好かれていない。きっと。今だって、殺されそうだった。』
『ふうん。。。ならば、先に、卑弥呼様に聞いた方がいいね。あの、北の国で鋳作られた兵士たちが、卑弥呼さんによって操縦されてるんだと、ぼくは思った。そこも、確かめたいんです。うさぎさん。』
『そうしましょう。ここが、いったん落ち着いたら。』
そうして、その戦況は、なんと、地球側が、優勢になって来ました。
イルマリネンさんと、ワイナモイネンさんが協力して作った、埴輪ロボは、非常に頑丈で、強かったうえ、女王様の母船から、エネルギーを吸って、ますます強くなったのでした。
そいつが、大量に襲い掛かったのでありますから、たまらず、月の軍団は、ついに、いったん退却しはじめたのでした。
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これ、なんだ? 答えは下
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こたえ 大阪万博『太陽の塔』の一部
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