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第23回 『夫婦喧嘩の後始末』 その1
一旦退却し、体制の建て直しを図ったお妃さまは、究極の選択をしようとしていました。
『地球の占領を開始します。人類殺菌計画を実施する。』
お妃さまは、そのように宣言しました。
『もはや、待つ理由はない。』
『しかし。』
軍事大臣が言いました。
『王さまは、禁じております。さらに、地球には、あの方がありますが。また、王女さまと、お付きのものがあります。』
『召喚せよ。処遇は後からでよい。サンプル地球人類を1000人採取せよ。しかるのち、例の贈り物を、地球各地の首長に贈るがよい。我が王は拘束せよ。』
『あのう…………………』
『うん、なにかしら?』
『取り返しが付きませんが、よろしいですか。』
『地球人類は、このさき、争いを繰りかえし、ろくでもない武器ばかり作るでしょう。やがて、月の文明をも破壊しかねない。早めに、処置したほうが、太陽系のためです。新しく教育した人類を地球に放ちます。千年もしたら、かなり、ましな世界になる。』
『それもですが、王さまとのご関係が……』
『あんなやつ。問題ではない。ふん。』
『はあ。わかりました。あなたが大将です。さっそく、準備します。』
・・・・・・・・・・・・
『でも、あのふたりが、のこのこと、地球に来るでしょうか?』
うさぎさんが疑問を呈しました。
『たいへん、失礼ではありますが、まず、来ると思います。わたくしと、あなたを、連れ帰るか、殺すか。まあ、どちらが先に確保するかでしょう。もっとも、そうならないように、画策を致します。逆にお二人を拉致しましょう。』
『なんとまた、簡単には行かないでしょう。』
『なに、ちちんぷいぷいです。』
『は?』
まだ、この言葉は、おそらく、知られていませんでした。
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