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第24回 『夫婦喧嘩の後始末』 その2
案の定、夜陰に乗じて、月の王様も、お妃さまも、少数の軍勢を連れて、飛鳥の都に降りてきました。
しかし、地球の周囲は、沢山の両軍勢が取り囲み、いつでも、総力戦に入れるような雰囲気だったのです。
『いらっしゃいませ。お待ちもうしておりました。』
元ひみこさまが、にこやかに、出迎えました。
帝などの重鎮は、幕の中で待機しております。
しかし、天から降りてくる船を見ては、いささか、仰天するしかありません。
宮殿の周囲は、もちろん、兵により固められておりました。
でも、地球の軍事力でだけでは、歯が立たないのは、この少し先に起こる、かぐや姫さまのお話でも、証明されております。(かぐや姫さまは、うさぎさんのことらしいのです。)
ところが、このときには、実は多少、雰囲気が異なっていたのです。
つまり、元ひみこさまは、北欧の英雄たち、つまり、本来月から移住したものたち、を、密かに呼んで、手厚く接待しておりました。
かの、鋳造兵士たちも、スタンバっていました。
一歩間違えば、すぐに、修羅場になるのです。
この時代は、こうしたやり方は、まだ、普通だったのです。
もっとも、現代にあっても、違うとも言えないかもしれませんが。
元ひみこさまが、なんらか、計略を練っているだろうことは、みな、想像に難くなかったのです。
その、都のできたての庭園は、沢山の明かりに照らされていました。
それは、さまざまな、神秘的な石像や、オブジェを闇に浮かび上がらせ、水面に、きらきらと、色とりどりに反映していました。
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