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第26回 『夫婦喧嘩の後始末』 その4
トッテンバルラン侯爵は、月の使節団に、紛れ込んでおりました。
知る人ぞ知る、色男であり、月にも大量の資産があり、さらに、多数の資源小惑星を保有していました。
最近は、お妃さまに取り入っていました。
なにしろ、王様よりも、はるかに、美男子ですし、財産家で、さらに、若いものですから、まあ、夫婦喧嘩の原因のひとつでした。
侯爵は、たしかに、非常に、魅力的な月人でした。
もっとも、王様がさきに、浮気したらしいのですが。
しかし、王様は、その浮気の相手を地球には連れてきませんでした。
それは、地球は、あまりに危険すぎると、考えたからに過ぎませんが。
束縛の少ない、トッテンバルラン侯爵は、庭園の衛士をひとり伴って、宮殿の庭を散策しておりました。
散策と言うより、スパイといった方が、適切かもしれません。
自由自在に地球の言葉を操る侯爵は、無口な衛士を相手に、勝手な地球に関する蘊蓄を並べ立てておりました。
『おや、あの女人は、見たことあるなあ。』
侯爵は、元ひみこさまを見つけたのです。
『ははあ。彼女が今回の調停役を買ってでたわけか。それは、なかなか、難敵だな。和平などにされては迷惑だが、彼女が裏にいるとなると、簡単にはぶち壊せないぞ。こっちの命があぶなくなる。くわばらくわばら。』
侯爵は、さっさと、庭から引き上げたのです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
都の宴会場は、それはそれは、凝りに凝ったものでした。
大きな回転舞台が三つあります。
それらは、遊園地のメリーゴーランドのように、複雑な動きができるようになっていました。
さらに、中央の舞台がありました。
これは、いっそう、独自の動きができるようになっておりました。
ただし、電動にするわけにはゆかないので、水力と、重力と、人力の両用です。
設計したのは、もちろん、元ひみこさまです。
電力も、原子力も、やろうと思えば、利用はできますが、時代的に、まだそれはできないと、元ひみこさまは、判断していました。
1000年後に、ここの遺跡から、原子力電池が見つかっては、ちょっとまずいでしょうし。
月の王様と、帝は、一の舞台。
お妃さまは、二の舞台。
北欧からのお客様や、うさぎさん、かめさんは、三の舞台。
中央の舞台には、舞を舞うもの、さまざまな楽器を手にしたものたちが、華やかな衣装を身にまとい、準備万端になっておりました。
いよいよ、祝宴の始まりです。
たくさんのご馳走や、飲み物が運ばれてきたのです。
上品な楽の音が、山々や森に囲まれた宮殿に響きます。
🎊 🎉 🎉 🎊
今日は月食でした。復活後のお月さま。小型望遠鏡とスマホで撮影しました。
ちょっと離れたところにいた、木星さん。ガリレオ衛星見えますか?
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