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第28話 『夫婦喧嘩の後始末』 その6
元ひみこさまの思惑は、もちろん、ここで、月の王様とお妃さまの講和を成立させるのが、可能ならば、一番ですが、それは、かなり困難なことで、少なくとも、それに向かって話し合う、という約束にまでもって行き、戦争は、無期停戦にする。
と、いうことな、わけです。
うさぎさんは、祝宴(に、なれば良いけれど。)が始まる前に、少しだけ、元ひみこさまと、お話しすることができました。
『なぜ、お母様とお父様は、あのように、仲違いしてしまうのでしょうか? なにか、昔、あったのでは?』
元ひみこさまは、表情こそ変えませんが、その目に浮かぶ光が、少しだけ暗くなったようでした。
『まあ、済んだはなしなのですが、あなた様の母上は、許す気はなくて。国王様は、浮気したのです、それも、勝手に。片思いですよ。』
『え。だれが、相手なのですか。』
『あたくし。』
『はあ。え〰️〰️〰️。』
『あらまあ。』
いっしょにいた、かめさんも、唖然としました。
しかし、元ひみこさまは、美しい。
さすがのかめさんも、納得できる気はしたのです。
森の木々が、ざわざわと騒ぎだしたのです。
『まあ、今夜は、ただ事では収まりませんね。』
元ひみこさまが、呟くように、申されました。
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