第28話 『夫婦喧嘩の後始末』 その6

1/1

8人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ

第28話 『夫婦喧嘩の後始末』 その6

 元ひみこさまの思惑は、もちろん、ここで、月の王様とお妃さまの講和を成立させるのが、可能ならば、一番ですが、それは、かなり困難なことで、少なくとも、それに向かって話し合う、という約束にまでもって行き、戦争は、無期停戦にする。  と、いうことな、わけです。  うさぎさんは、祝宴(に、なれば良いけれど。)が始まる前に、少しだけ、元ひみこさまと、お話しすることができました。  『なぜ、お母様とお父様は、あのように、仲違いしてしまうのでしょうか? なにか、昔、あったのでは?』  元ひみこさまは、表情こそ変えませんが、その目に浮かぶ光が、少しだけ暗くなったようでした。  『まあ、済んだはなしなのですが、あなた様の母上は、許す気はなくて。国王様は、浮気したのです、それも、勝手に。片思いですよ。』  『え。だれが、相手なのですか。』  『あたくし。』  『はあ。え〰️〰️〰️。』  『あらまあ。』  いっしょにいた、かめさんも、唖然としました。  しかし、元ひみこさまは、美しい。  さすがのかめさんも、納得できる気はしたのです。  森の木々が、ざわざわと騒ぎだしたのです。  『まあ、今夜は、ただ事では収まりませんね。』  元ひみこさまが、呟くように、申されました。            
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加