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第4回 《北の英雄との出会い》その2
ところが、うさぎんとかめさんが英雄ワイナモイネンさんに出会ったのは、ある村のお家で、そこには白いひげの老人がおりました。
この老人は、知恵者で、ワイナモイネンさんの、鉄によって生じた傷の治し方の呪文を、その3分の2あたりまでは知っていたのです。
でも、あとひとつ、鉄の起源の呪文がわからなかったのですが、それはワイナモイネンさんが知っていたのです。
しかし、それだけではだめで、あと、軟膏が必要でした。
カレワラでは、老人の息子さんが軟膏を作ったことになっておりますが、軟膏作りは、実は、かなり難航したのです。(反省)
うさぎさんと、かめさんは、そこに現れました。
『お邪魔します。月から来た、うさぎとかめです。お取込み中ですかあ? あなたが、ワイナモイネンさんですか?』
しろいひげの老人が言いました。
『おおお、これは、言葉を話すうさぎさんとかめさんか、まあ、このあたりでは、珍しい事ではない。ここでは、鳥もしゃべれば、魚も言葉を話す。アイノさんの伝説は名高いものだ。あなたが尋ねる、それは、この人である。』
『アイノの話は、しないでほしい。それは、自分の心を打ち砕き、崩壊させるのだ。』(乙女アイノに言いより、結婚を迫って自殺させ、結果的にお魚に変身させたのは、ほかならぬ、ワイナモイネンさんなのです。)
『あなたが! 名高い英雄ですか。でも、足に、お怪我をしていますね。』
『そうだ、しかし、間もなくよくなる。治す呪文はそろったからな。いま、こちらの老人の息子が軟膏を作っておる。』
うさぎさんとかめさんは、息子さんのいる小屋に向かいました。
『むむむ・・・・思ったほどには、良い軟膏ができないな。できないと、叱られるしな。』
息子さんは、困っていました。
『もしもし、あなた、もしもよろしければ、月で作られた、よい軟膏を差し上げましょう。これには、抗生物質も含まれ、また副作用を防ぐすぐれた物質も含まれております。また、動物や植物にも効果があるのです。さらに、治癒後の傷も残らない。すぐれもの。傷に、三回塗るだけでOK。』
うさぎさんは、肩から下げていた白い袋の中から、お薬を取り出しました。
『むむむむ。あやしい、うさぎさんとかめさんだ。では、このポプラで試してみよう。』
そこで、彼は、カレワラにあるように、ポプラを切って、試しましたところ。瞬く間に、ポプラは再生したのです。
そこで、喜んだ息子は、それを持って帰り、ワイナモイネンさんに三回塗りました。
『おおおおおおお~~~~~~、すごい。もう、効き始めた。』
ワイナモイネンさんは、以前にもまして、すぐれた肉体になりました。
『こちらの、うさぎさんと、かめさんが、月の薬を与えてくれました。』
『なんと。』
老人が、驚きました。
でも、うさぎさんは、言いました。
『それは、内緒でいいのです。あなたがたのお手柄です。でも、お伺いしたいことがあります。』
『知っている事ならば、なんでも、教えよう。』
ワイナモイネンさんが応えました。
『この地球に降りてくるさい、大きな、宇宙船を、えと・・・、船を、空中で見かけたのですが、あれはなんでしょう。ご存じないですか?』
『空飛ぶ船の話しか?』
『そうです。それです。』
『うむ。実は、見たことは一度だけだ。この大地には、まだ、大きな続きがある。カレワの里と、ポホヨラの里だけが世界ではない。そなたたちが、月から来たのならば、まことにそれは奇遇のようだが、そうではないらしい。では、我が知恵の歌を聴かせよう。』
ワイナモイネンさんは、ついに、滔々とした詩(うた)を、歌い始めたのです。
*************** つづく
このお話は、次回まで、やましんの都合により、すこし、間が開きます。(お勉強が必要なため!)
民族玩具 かめさん(ひもを引っ張ると走る!!ちょっと、いつの間にか壊れている。広島で調達)
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