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『第38回 七つの着物の踊り』 その6
元ひみこさまの踊りに、非常に危険な殺気を感じたワイナモイネンさんは、その回転する舞台が近づいてきたところを狙って舞台に飛び上がりました。
そうして、いっしょに踊り始めたのです。
ワイナモイネンさんの踊りは、故郷の伝統的な舞踏ですが、不思議にこの世界の音楽にも、しっかりと乗っかったのです。
『あっちゃあー、先にやられたか。』
うさぎさんが言いました。
『うさぎさん、なにするつもりですか?』
どちらかというと、かなり、鈍感なかめさんが、ちょっとお酒に良いながら尋ねたのです。
『だから、元ひみこさまは、わがリョウシンの前で、自決しようとしていたに違いありません。和平と引き換えに。止めなくてはなりません。』
『な、なんと。かめ。』
かめさんが驚嘆しました。
しかし、あたりは、賑やかな雑踏に囲まれて、みな、適当に酔っていたので、気にはされませんでした。
ワイナモイネンさんの登場にも、さして違和感はありませんでした。
そこは、都です。
様々な衣装の人々が、はるばる離れた地から、たくさん訪れるからです。
ただ、ワイナモイネンさんは、とてもたくましく、まことに見事な老人で、ダンスも巧みだったので、たちまち、会場の中の人気者になりました。
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