8人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
第7回『月の世界』
月の裏側には、立派な王国がありました。
もっとも、裏側、というのは、後の地球人なので、月の世界からみれば、地球側こそ、裏側なのです。
でも、この時代には、地球の人たちは、月についても、ほとんどなにも、知りませんでしたが、暦の作成などから、地球からみることができることについては、かなり、よく知っていたのです。
ところで、月にも、ごく、薄い大気はありますが、ほぼ、無いといった方が正解です。
かなり、大昔には、火山活動もありましたが、いまは、ありません。
でも、地震は起こるのです。
この時期、月の文明は絶頂期にあり、必要な場所に必要な大気の層を人工的に形成し、お水などは、極地の内部に蓄積されたものを使っておりました。
また、地球から、資源を運んだりもしていましたし、火星にも基地がありました。
また、月の表面よりも、より、安全な内側を多用していたのです。
しょっちゅう、隕石とか、落ちてくるものですから。
月の人たちは、地球までくらいなら、宇宙を移動するにも、うさぎさんや、かめさんのように、からだの回りを、フィールドで覆い、とくに、宇宙船を使わなくてもよかったのです。
火星に行くときは、宇宙船を使いますが。
しかし、地球人は、まだ、宇宙に乗り出す技術はもたず、争いになることは、ありません。
月から、ときどき、技術指導とか観光とかで出かける場合はありましたが、いまの王さまは、あまり、地球に干渉するのは好きではありませんでした。
そのかわり、犯罪者や、王女さまのような、王室に反抗的な月の国民を、お仕置きのために、追放する先に使ったりしていたのです。
情報収集のために、いわゆるスパイも、派遣しておりました。
しかし、もともと、月の人たちが、いつ、どこから来たのかは、実は、謎になっていました。
むかしは、知っていたのでしょうけれども、長い間に、忘れられてしまったらしいのです。
地球の生き物との関係も、よく、わからなくなっていました。
しかし、月の人たちは、自分達の祖先が、地球の生物を育てたのだ、と、考えていました。
地球の人間も、自分達の祖先が、地球管理のために、産み出したのだと、今も、言っています。
だから、どちらかというと、地球の人たちを
見下げておりました。
さて、そこで、地球から、巨大な宇宙船が飛び立ったという情報に、月の王国は、騒ぎになっていたのです。
・・・・・・・・・・・・・・
最初のコメントを投稿しよう!