第7回『月の世界』

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第7回『月の世界』

 月の裏側には、立派な王国がありました。  もっとも、裏側、というのは、後の地球人なので、月の世界からみれば、地球側こそ、裏側なのです。  でも、この時代には、地球の人たちは、月についても、ほとんどなにも、知りませんでしたが、暦の作成などから、地球からみることができることについては、かなり、よく知っていたのです。  ところで、月にも、ごく、薄い大気はありますが、ほぼ、無いといった方が正解です。  かなり、大昔には、火山活動もありましたが、いまは、ありません。  でも、地震は起こるのです。  この時期、月の文明は絶頂期にあり、必要な場所に必要な大気の層を人工的に形成し、お水などは、極地の内部に蓄積されたものを使っておりました。  また、地球から、資源を運んだりもしていましたし、火星にも基地がありました。  また、月の表面よりも、より、安全な内側を多用していたのです。  しょっちゅう、隕石とか、落ちてくるものですから。  月の人たちは、地球までくらいなら、宇宙を移動するにも、うさぎさんや、かめさんのように、からだの回りを、フィールドで覆い、とくに、宇宙船を使わなくてもよかったのです。  火星に行くときは、宇宙船を使いますが。  しかし、地球人は、まだ、宇宙に乗り出す技術はもたず、争いになることは、ありません。  月から、ときどき、技術指導とか観光とかで出かける場合はありましたが、いまの王さまは、あまり、地球に干渉するのは好きではありませんでした。  そのかわり、犯罪者や、王女さまのような、王室に反抗的な月の国民を、お仕置きのために、追放する先に使ったりしていたのです。  情報収集のために、いわゆるスパイも、派遣しておりました。  しかし、もともと、月の人たちが、いつ、どこから来たのかは、実は、謎になっていました。  むかしは、知っていたのでしょうけれども、長い間に、忘れられてしまったらしいのです。  地球の生き物との関係も、よく、わからなくなっていました。    しかし、月の人たちは、自分達の祖先が、地球の生物を育てたのだ、と、考えていました。    地球の人間も、自分達の祖先が、地球管理のために、産み出したのだと、今も、言っています。  だから、どちらかというと、地球の人たちを 見下げておりました。  さて、そこで、地球から、巨大な宇宙船が飛び立ったという情報に、月の王国は、騒ぎになっていたのです。      ・・・・・・・・・・・・・・      
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