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エピローグ
お城に戻ってきた私は、以前程白の魔術が使えなくなっていた。手に魔力を集中させようとしても、上手くできないというか。一つの村を一気に覆うような大きな結界は作れそうにもない。代わりに他の魔術が使えるようになっていた。火とか水とか、風とかの。救世主としての役目を終えたからなのかな。
私はしばらくの間、クレソンさんの私室の隣部屋で寝たきりになっていたけれど、今は騎士寮に戻ってきている。でも、まだ仕事には復帰できていない。日常が、遠い。
先日、エルフの里に置いてきてしまった仲間達が、城から私が一人で戻ったとの報を受けて、王都へ帰ってきた。マジョラム団長からは、なぜ置いてきぼりにしたのかと責められたけれど、私にもよく分からない。たぶん白魔術の応用か何かで、一気に城へ帰ってきてしまったのだろうけれど、何せ記憶が無いのだ。
ミントさんは、さすがに世界樹の管理人交代が成功したことに、すぐ気づいていたらしい。マジョラム団長を窘めて、私をギュッとしてくれた。褒められたような気もするけれど、空っぽになってしまった私の心は、そう簡単には埋まらない。
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