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へ? 坊主の次は娼婦か。いえいえ、私は高校生です。
瞬きして固まってしまった私を見たお姉さんは、その視線を私の顔から胸へと下ろして行った。そして睨むこと三秒。
「あ、男娼の方か。それなら私がお持ち帰りを……って違うわ!」
お姉さんテンション高いっすね。ひとりツッコミお疲れ様。そんなことよりお仕事しましょうよ。
「あの……冒険者登録したいんですけど」
「は?」
「冒険者登録をお願いします」
「あなたが?」
「はい」
「舐めてるわね」
「お姉さんこそ」
異世界にひとりきり。泣きわめいたりもせずに現実を受け入れ、健気にも職探しから頑張っているか弱い女の子なんだよ? 舐めるも何も、私は生きるのに必死なんだよ。どうにか働いて、お金稼いで、できれば治安の良いところに住んで、たまには美味しい焼鳥を食べたいなっていうのが今の夢なんですけど何か?
私の睨みが効いたのか、お姉さんは仕方ないわねという顔で受付カウンターの下から占い師の水晶みたいな丸い球体を出してきた。
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