男の子になっちゃった

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「残念ながら冒険者にはなれないわね」  お姉さんの顔は全く残念そうじゃない。だけど私は、ここで簡単に身を引くわけにはいかないのだ。冒険者が駄目なら、どんな職業に就けばいいのだろう。この世界の知識が無い上、何の身分も保証も無い私を雇ってくれるような会社が簡単に見つかるとは思えない。 「これから、どうやって生きていけば良いんだろう」  と、こんな呟きも出てしまうわけだ。  するとお姉さんは、打ちひしがれる私に少し同情してくれたらしい。人差し指に薄紫の髪をクルクルと巻き付けながら思案顔になった。 「どうやってって……そうねぇ。見たところ、あなたは身寄りが無いんでしょ? そういう場合、冒険者になって身を立てるのが手っ取り早いのだけど、それができないとなると……あ、そうだわ!」 「もしかして、仕事を紹介してくれるんですか?!」 「紹介というわけではないけれど、一つだけ心当たりあるわ。確か、王城で門衛を募集していたはず。男だったら入れるんじゃないかしら」 「男……ですか」  一瞬有頂天になった心がジェットコースターの如く急降下。それと同時に、お姉さんはなぜかとてもびっくりした様子で。
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