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「もしかして、あなた女の子なの?」
「どこからどう見ても女です。ほら、髪も長いでしょ?」
お姉さん、私の胸見すぎ。確かにお姉さんみたいな巨乳じゃないけど、よく見ればちゃんと膨らみあるでしょ? 私は着痩せするタイプなんです。たぶん。
「……困ったわね。門衛は明文化されたルールではないけれど、男性のみということが暗黙の了解なのよ」
「なんて差別だ!」
「で、どうするの?」
「決まってます。私は男になって、門衛になります!」
「あなた、見た目によらずなかなか骨があるみたいね。よし、分かった。これも乗りかかった船よ。私が一肌脱いであげる!」
そう男前にまくし立てたお姉さんは、受付カウンターに『離席中』のプレートを出すと、私をギルドの奥へと引きずっていった。そして私は、あっと言う間に髪を短く切られて、男物の服に着替えさせられてしまったのである。
「私は元Aランク冒険者で、今は冒険者ギルド本部の受付譲、ミントよ。また困ったことがあったら私を訪ねてきなさい」
「いいんですか? でもなんで……」
「あなた、ちょっとだけ私の妹に似てるのよ」
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