涙を流すことなんて（一生）ないと思っていた。

　時間だけが刻一刻と過ぎていく。

　一臣はまだ目覚めない。胸が潰れるほど悲しいのに、それでも泣くことはできなかった。

　お前は、俺が自分に厳しいから泣けないと言ってくれたけど、きっとそれは違う。俺には泣く資格がないだけだ。

　だって家族がバラバラになったのも、父親が俺を憎むようになったのも全部が俺のせいなんだ。

　人を不幸にする能力を持つ俺が、まるで被害者みたいに泣く資格なんてない。

　だから俺は泣けないんだ。

　お前が死んでもきっと俺は……。