103人が本棚に入れています
本棚に追加
若い男の言う言葉は正論だと、今の俺なら分かる。
「俺がアイツを守る」
その言葉を聞いて、助手席のドアを開けた俺は男に言った。
「赤い月と赤い曼珠沙華と赤い瞳は、全て娘の事だったんだな」
それに『さぁな』と答えた男の声を背中で聞いて、白のレクサスから降りた俺。
すると白のレクサスはエンジン音をたてた後走り去った。
不思議な感覚だ。
俺が娘を探している間、あの男は俺を待っていたと言った。
多分、俺が刑事を辞めた事も知っているだろう。
最初のコメントを投稿しよう!