ー本編ー

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若い男の言う言葉は正論だと、今の俺なら分かる。 「俺がアイツを守る」 その言葉を聞いて、助手席のドアを開けた俺は男に言った。 「赤い月と赤い曼珠沙華と赤い瞳は、全て娘の事だったんだな」 それに『さぁな』と答えた男の声を背中で聞いて、白のレクサスから降りた俺。 すると白のレクサスはエンジン音をたてた後走り去った。 不思議な感覚だ。 俺が娘を探している間、あの男は俺を待っていたと言った。 多分、俺が刑事を辞めた事も知っているだろう。
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