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そして『義妹がこのことを知ると、わたしのために買ったのかと気分を害すると思うので、購入については伏せておいてください』とも口止めをしている。
それでも、耀平は安心していた。注文の際に接してくれた事務所の社員も、親方の商品の説明などもとても真摯なもので、この工房を選んだ義妹の見る目にも安堵していたほど。
その親方が『一度、妹さんの職人としての働きぶりをご覧になりませんか。もちろん、来られることは伏せておきます』と勧めてくれた。
最初は乗り気ではなかった耀平だったが、小樽のガラスを一度じっくり見てみたいという衝動もあって、北海道へ行く決意をした。
社長である義父も『美月亡き後、脇目もふらずに働いてくれた。行きたいのなら、行っておいで』と快諾してくれた。その奥底に『危なっかしい末娘がちゃんとやっているか見てきてくれ』という希望が含まれていた。
そして義母にも『花南の様子を見てきます』と伝えると、気にしていたのか『お願いね。耀平さん』と頼まれた。
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