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アクアマリン色のプライベートルームに、かすかに聞こえてくる波の音。
フリルの白いカーテン。童話でお姫様が使うような猫足の白い大きなドレッサー。ところどころに淡いピンク色のバラが飾られている。幸せいっぱいの花嫁の部屋。
「カナ、どうした」
鏡の中でまだ見つめるだけの義妹に、義兄が話しかけてくる。
綺麗に着付けてもらった振袖姿になったカナは、ゆっくりとドレッサーのスツールから立ち上がる。
「綺麗な控え室だね。うちのホテルの婚礼スペースがこんなお洒落だなんて知らなかった」
「そりゃあ、時代に合わせて改装してきたからな」
それも義兄の提案で、彼がホテルの婚礼部門と協力して立ち上げた仕事だったと聞かされている。
義兄があちこちのブライダル会社と親しくして、そして見て回って、ホテルの婚礼部門が廃らないように気を配った仕事をしてくれたことがわかるものだった。
「プライベートビーチにある教会はお義父さんが建てたままだが、ホテルの部屋も少しずつ改装してきた。婚礼部門も何十年前のままとはいかないだろう。だいぶ様変わりしている」
「でも、うちのホテルの海辺のチャペルは昔から人気なのでしょう」
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