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学生の頃から、義妹にはそういう『あけすけ』なところがあった。遊びは遊びで、恋とは割り切っている。そういう奔放さがあった。だから、妻の美月に『悪い男にひっかからないようにして欲しい』と告げていた。
常に男を欲しがっているような義妹ではなかったが、たぶん『そういう時期』があるのだろう。耀平だってそうだ。妻の三回忌を終え、落ち着いてくると、男独り身になって『女を抱きたい』と生理的に欲する時もある。
ただいまは、小さな息子がいるし、跡取り妻を失った婿養子として倉重で働くのに必死で。女遊びがしたいなら、倉重の名だけでなびいてくる女もいる。お手軽だろうが、そのお手軽が恐ろしい。リスクあるくらいなら、遊びなどしない。なにもないほうがいい。
そこが、若い花南と、大人である耀平の違いなのかもしれない――。
遊び慣れて男も知っているだろうに。義妹が侘びしさを男で埋めるため、抱かれるために、容易く許してしまっていただなんて。
そんな花南の肌を好きに味わった男が……許せない……。
初めてそう思った。義妹なのに。家族だけれど、他人である義兄が彼女の男を決められるわけでもないのに。
奇妙な気分だった。
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