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「それを思って、妹も断ったのでしょう。どうみても、結婚できる相手ではないでしょう」
「はあ? うちの息子の方が下だとおっしゃるのですか」
やれやれ。お母様の本性が出たなと、かえって耀平はにやりと笑ってしまう。
「そんなことを私は言っておりませんよ。そちらは大事な跡継ぎのご長男、こちらも直系の跡取り娘なので、結婚するとなると両家の条件が一致しないと言っているのです」
耀平の隣にいる親方と、目の前にいる親父さんが『く……』と笑いを堪えたのがわかってしまう。
そして母親の顔が真っ赤になった。
「そちら様も、二度と、こちらには関わらないでいただきたい。ご子息にもようく言い聞かせてください。若い男女が一時を同じにしただけのこと。このように騒がずとも、良き思い出でよろしいのではないですか」
もうレストラン経営の夫妻はなにもいわなくなった。
「そちらもしつこく妹に結婚を迫ったり、つきまといが続くようなら、こちらからも法的措置を取らせて頂きます。山口から弁護士を送りますので、ご承知くださいませ」
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