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「いえ、こちらこそ。未熟なばかりの妹がご迷惑をおかけしました。まだ後先の判断も出来ぬ子供だとお許しください」
このお父さん社長のおかげで、耀平の腹も納まった。
はあ、なんなんだこれは……。心の中で、耀平はがっくり項垂れていた。
だから。こういう隙を突かれる女になるのは、やめて欲しい――。義妹には隙がありすぎる。
―◆・◆・◆・◆・◆―
花南にも、男の両親が耀平に会いに来たことを伝えておく。
彼女も驚き、そして事が大きくなってしまったことで気に病んでいる。
相手の子息は二十七歳。いい大人なのに、まだ駆け出しの若い年下の女をこんなに困らせて……。
だが耀平の中で、父親の言葉が強く残って繰り返されている。息子は真面目にやってきたので、花南が初めての女だったという話。本当かどうかは、息子本人に聞かないとわからないが、きっとそうだったのだと納得した。
だから、たった二ヶ月で花南に夢中になって、花南しか見えなくなったのだろう。女性経験が浅く、また、男慣れをしている花南の女の匂いが逆に『毒』になったのだと思った。
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