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あの妹はこれらもガラス職人を目指していくだろう。でも、その間に男も寄ってくるだろう。その時、次に花南はどうするのだろう。どんな男が花南へと手を伸ばして捕まえようとするのだろう。
花南の匂いが残っていた。山口に帰っても耀平の側にずっと漂っていた。
―◆・◆・◆・◆・◆―
それから花南はストイックな職人として過ごすようになり、めきめき上達しているとの報告を親方が届けてくれる。
妹が創作した作品も画像にてメールで届けてくれるようになった。
送られてる度に、耀平も感じていた。妹の作品には、いつもなにか密かなテーマが置かれている気がする。とても深い意味を秘めて、その素がわからずとも、誰もがそれを感じずにはいられない万人の感情に触れるような惹かれるものがあった。
だから決意を固めていた。彼女を俺が一人前のガラス職人にする。俺が擁護する。パトロンになる。
そして。彼女が帰省してくるたびに、息子と過ごす気易さに穏やかさ――。家族三人と錯覚するような、密かでささやかで、一瞬だけの安らぎ。それが欲しい。彼女が帰ってきた時ではなくて、すぐそばに欲しい。
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