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上京したての田舎者状態になっていると、神格たちはハイレベルな会話をしている。
「土岐田、うちらタクシーで会場の下見いくけど。そっちはどうする?」
「俺は亮太と、列車で弘大に行くよ。美味い定食屋があるって聞いたんだ。」
「定食屋、ねぇ……」
恐らくヨンギュのことしか頭にない絢音さんは、微妙な反応を示すけれども、弘大は気になる買い物スポットだとガイドに書いていたので、私は行ってみたい。
「ジュノから聞いたの?」
「そう、ジュノから。あいつ、ソウルで暮らしていたことあるから色々詳しいんだよ。」
俄然、ジュノに対する興味が沸く。
一体、どんな人なんだろう……ちょっと会ってみたいかも。
直紀さんの友達というからには、きっと気さくでいい人に違いない。
「じゃあ、またチェックインの時間にホテルで。ジュノに宜しくね。」
「うん。困ったことがあったら、遠慮なく連絡しろよ。じゃあ俺ら、先に行くから。」
そう言って、亮太くんと共に、駅の方向へと歩いていく。
亮太くん、すっかり直紀さんと仲良くなっちゃって……。
面倒見のいい直紀さんは、何だか楽しそう。
二人の様子に心が和んでいると、すぐに現実に引き戻される。
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