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「喜志のやつ、女の趣味悪すぎやわ。」
「でも、可愛いですよね……逢沢さん。」
「雰囲気で誤魔化しているだけで、化粧落としたら大したことないで、あのタイプは。」
そう自信満々に言い切るのには、根拠でもあるのだろうか?
仮に大したことないにしても、彼女のすっぴんなんて何度も見る機会があっただろうし、そこは問題ない気がする。
前に、可愛くて純情そうなのに、巨乳でエロいところが好きだって言ってたけれど。
問題なのは、私自身に、その要素がひとつも入っていないこと。
強いて言うなら、純情というか経験不足なだけだ。
「平気だって言ったら、嘘になります。
喜志が逢沢さんと付き合っていることは、好きになる前から知っていたから、大丈夫だと思ったんですけどね。」
「まあ、そういうもんじゃない?感情って。」
「はぁ……私、駄目だなぁ。精神的にもっと強くなりたいです。」
「ま、上手くいかないこともあるけどさ。今は……楽しもうよ、ね?その為に、来たんやから。」
「そうですよね、楽しまないと!!」
こういう状況に慣れれば、少しは強くなれるのかな。
それとも現実を受け止めて、諦めがつく日がくるのかな。
先のことは分からないし、切なさで胸が痛むこともあるけれど、今は夢にまで見たソウルコンを思い切り楽しまないと……いざ出陣だっ!
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