ソウルの夜

15/51
3174人が本棚に入れています
本棚に追加
/308ページ
. 「喜志のやつ、女の趣味悪すぎやわ。」 「でも、可愛いですよね……逢沢さん。」 「雰囲気で誤魔化しているだけで、化粧落としたら大したことないで、あのタイプは。」 そう自信満々に言い切るのには、根拠でもあるのだろうか? 仮に大したことないにしても、彼女のすっぴんなんて何度も見る機会があっただろうし、そこは問題ない気がする。 前に、可愛くて純情そうなのに、巨乳でエロいところが好きだって言ってたけれど。 問題なのは、私自身に、その要素がひとつも入っていないこと。 強いて言うなら、純情というか経験不足なだけだ。 「平気だって言ったら、嘘になります。 喜志が逢沢さんと付き合っていることは、好きになる前から知っていたから、大丈夫だと思ったんですけどね。」 「まあ、そういうもんじゃない?感情って。」 「はぁ……私、駄目だなぁ。精神的にもっと強くなりたいです。」 「ま、上手くいかないこともあるけどさ。今は……楽しもうよ、ね?その為に、来たんやから。」 「そうですよね、楽しまないと!!」 こういう状況に慣れれば、少しは強くなれるのかな。 それとも現実を受け止めて、諦めがつく日がくるのかな。 先のことは分からないし、切なさで胸が痛むこともあるけれど、今は夢にまで見たソウルコンを思い切り楽しまないと……いざ出陣だっ! .
/308ページ

最初のコメントを投稿しよう!