同期のアイツ

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. 「……安心してください。実は……」 彼女の耳元で、そっと伝える。 それはまるで、内密なやりとりをしている、スパイ同士の会話に見えたに違いない。 「え!?当選したん!?」 「今年はついに当選してしまいました!!」 「え、マジで!?カウコンやで!?」 「そうですよ!!そして絢音さん、興奮しすぎて関西弁出ていますよ。」 関西出身の絢音さんは、興奮すると方言で話す癖がある。 絢音さんの営業成績が凄いのは、彼女のトーク力が強い武器なのだと思う。 「……おっと、失敬。脳内がお花畑になったわ。」 「絢音さん、勿論一緒に行けますよね!?」 「行く~!!衣咲ちゃん、神!!」 私と絢音さんは、韓流アイドルグループ「WIN」をこよなく愛する仲間。 この世界、新参者だった私に色々と伝授してくれた、尊敬すべき人生の先輩だ。 職場では部署も違うので直接的な関りはなく、私達が実はこんなにも仲が良いということは、あまり知られていないのだけれど。 .
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