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私が口にした言葉に、喜志は明らかに呆れ顔。
その表情、本当によく見るよ……。
「出た……衣咲の、アイドルオタク話。」
「ソジュンのこと悪くいったら許さないよ!?」
「いや、何も言ってないけど。」
喜志は、私の趣味を知っているし、絢音さんとの仲も知っている。
絢音さんを紹介してくれたのも、何を隠そう彼自身だから。
そういう部分では、喜志は他の同期とは違って、特別な存在なのかもしれない。
まあ、悪い奴ではないけれど……。
「……私、デスク戻らないと。」
「そうだ、今晩飲みに行かね?」
「今晩?」
喜志とは、週1くらいで飲みに行く。
趣味や性格は違っても、食の好みだけは見事に合う。
「WINとやらのチケットが当選した祝い、してやるよ。」
「奢り?」
「アホか、割り勘に決まってんだろ。」
「ふーん。ま、気が向いたらね。」
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