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「喜志さ……週末に私とこんなところで飲んでいていいわけ?」
「どうして?」
「可愛い彼女、放っておいてさ。」
喜志は、女の子にモテる。
WINのメンバーには敵わないけれど、それなりに格好いいし。
こんな私ですら話していて楽しいのだから、世間の女子たちは放っておかないだろう。
二股をかけているわけでもなく、彼女が切れた時期はない……と思う。
その話を、喜志本人の口から聞いたことは、あまり無いけれど。
「あ、新葉のこと?知ってた?」
「知ってるよ。喜志がまた若い子に手を付けたって、専らの噂。しかも今度の相手は、経理部で人気ナンバーワンの逢沢新葉ちゃんだって。」
「そうそう。いいだろ?人気ナンバーワン。」
誰に対しても良い顔して優しいけれど、どうも嘘っぽいところがあるというか……。
そういうところが、彼女と長続きしない理由のひとつなのかな。
「今回は長続きするといいね。同期として心から応援するよ。」
「うわぁ……棒読みじゃん。」
だって、私がとやかく言える立場でもないし。
私はソジュンさえいれば幸せだし。
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