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ぽろぽろと、瞬きが出来ないほど見開いた目から涙が溢れる。
瞬きをしたら見逃してしまいそうで、一瞬たりとも目を閉じることができない。
苦しい胸の内を代弁してくれているような台詞を、知っているけれど知らない人たちがブラウン管の向こう側でぶつけ合っているのを見て、体が小刻みに震えている。
わたしの代わりに、わたしの出来ないことを代行してくれているように思えて、魂が吸い込まれて行きそうで、必死にそこに留めようと胸板のあたりでギュッと拳を握る。
そのままブラウン管の向こうで繰り広げられている物語りは最悪で、けれどほんのりとした幸福感を残し、絶望的な終わりを遂げた。
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