朱に交われば赤くなる3

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 近くの女子の会話が耳に届いて、津山くんの人気もすごいんだなあと実感する。  恐らく彼女たちは一年生だ。違う学年にも知れ渡っているなんて、本当に有名人。  男子の試合は迫力があるし、聞こえてくる音も荒々しい。  見ているこっちが手に汗握ることもしばしばだ。  下の学年と当たった時は勝てることが多いし、あまり心配はしない。  今のところ順調に試合が運んでいるようで、津山くんが既にゴールを決めていた。 「さっきからあの一年の子、津山くんとボール取り合ってるよね」  カナちゃんがそう呟くので、私は「どの子?」と顔を寄せる。 「ほら、あのガタイがいい子。さっきからずっと――あっ、」 「あっ」  ホイッスルが鳴った。  まさにその一年生の子がシュートを決めたところだ。  そこから流れが少しずつ変わってきて、津山くんたちは動きづらそうにしていた。 「あ〜、やな流れだねこれ。外野の一年も盛り上がっちゃってるし」  あかりちゃんが言うように、相手のクラスの応援にはかなり熱が入っているようだ。  上級生に勝てることは中々ないから、興奮するのはよく分かる。 「あ! も〜、何やってんの津山! また決められちゃったよ」
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