朱に交われば赤くなる3

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* 「いやー、体張るねえ。羊も」  カナちゃんの言葉に、私は自分の鼻をつまみながら眉根を寄せた。 「張りたくて張ったわけじゃないもん……」 「冗談だって。早く保健室行っといで」  ティッシュ足りる? と私の顔を覗き込むカナちゃんに頷いて、そろそろと立ち上がる。  廊下を歩いて目的の場所に着いたところで、ドアに手をかけた。  保健室は普段あまり来ないから、ちょっと緊張する。  僅かにドアを開けた時、私はそのまま固まった。 「ちょっと……誰か来たらどうすんの」 「来ないって」 「あっ、やだもう……」  何か絶対に怪我をしていない方がいらっしゃる――――!?  ただならぬ雰囲気に、完全に思考が止まってしまった。  どうしよう、こういう時どうすればいいんだろう!?  端的に言えば打撲をして、ついでに鼻血が出たので保冷剤をもらえば済む話だ。  入口のすぐ近くに置いてある冷蔵庫から、さっと取ってしまえばいい。  音を立てないように慎重に中に入り、ドアをゆっくり閉める。  冷蔵庫の前に屈んで、ここを無音で突破するのはかなり難しいな、と尻込みしていた時だった。 「玄……もっと、して」
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