朱に交われば赤くなる3

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 津山くんは朗らかに告げると、今度こそ私を引っ張って保健室を後にした。 「あ、あの、津山くん……」 「いやー、びっくりしたでしょ! 災難だったね!」  廊下を歩きながら、彼はおちゃらけた様子で肩をすくめる。  右手は相変わらず繋がれたままで、触れた部分が酷く熱かった。 「あいつね、いつもあんなんだから白さんも早く忘れた方がいいよ。多分気にしてないから大丈夫」  私があの現場を見てしまったことを気にしていると思ったのか、津山くんはそう言い放つ。 「だから学校はやめとけって言ってんのに……強情だわ」  あっけらかんとした物言いに、私もようやく落ち着いてきた。  驚きはしたけれど、あれが彼の日常というわけだし、それを体感しただけだ。  空き教室に入ると、津山くんは私を座らせて、その向かいに自分も腰を下ろした。 「白さん、ティッシュ替えようか」  彼が言いつつ私の鼻に手を伸ばすので、思わず仰け反る。 「いやいやいや自分でやるから大丈夫だよ!?」 「俺、保健委員だから安心して!」 「そういう問題じゃなくて……!」
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