朱に交われば赤くなる3

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 慌てて言い返すと、津山くんは耐えかねたように吹き出した。 「や、ごめ、冗談……さすがに自分でやって?」 「い、言われなくてもやりますッ!」  バカにされた! 多分だけどバカにされた!  憤慨しながら顔を背けてティッシュを取り出すと、散々笑い倒した津山くんが「はー」と息を吐いた。 「鼻血って……高校生にもなってティッシュ鼻につっこんでるって……」 「津山くん!? 怒るよ!?」  だってしょうがないじゃん、鼻血なんだから!  訳の分からない怒りを堪えながら、私は新しいティッシュで栓をする。 「ごめんって。何でそうなったの?」 「え、えっと、とにかく相手のコートに返さなきゃと思って……」  気持ちが前のめりになって、それにつられて体も前に出してしまった。ボールの落下点はもっと後ろだったのに。  それを正直に話すと、津山くんはまた盛大に笑い転げた。 「いや最高すぎるでしょ……天才?」 「津山くんっ!!」 「普通もうちょっと恥じらうよね、鼻血出たらさ……」  笑いすぎて苦しい、とお腹を押さえる彼に、私は口を曲げる。  津山くんは姿勢を正すと、椅子ごとこちらに近寄った。 「ど、どうしたの?」 「うん。ちょっと、冷やした方がいいかなあと思って」
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