朱に交われば赤くなる3

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 彼が保冷剤を持っているのを思い出して、ああ、と納得する。 「でも、さっき自分でやってって……」 「あはは。それはそれ、これはこれ」  津山くんはそう言って、手を伸ばしてくる。 「白さんさ」 「うん?」 「玄と友達って、前に言ってたよね」  頷いて、私は彼の言葉の続きを待った。 「あんまり玄の言うこと鵜呑みにしない方がいいよ。ほら、白さん真面目だから」  津山くんが笑う。何の他意もなく。 「知ってるとは思うけど、あいつ女関係だらしないし、結構ゲスいし?」 「……うん」 「もし、万が一、白さんが玄を――ってなったら、辛いのは白さんだと思うから」  冗談のようなトーンだけれど、きっと冗談ではない。  これは多分、彼なりの心配なんだろうなと、そう思った。 「だから、深入りしない方がいいよ」  ――そして、忠告でもある。 「岬」  津山くんの後ろでドアが開いた。 「……思ったより早かったね、玄」
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